羊水検査の前に亡くなっていた赤ちゃん
NIPTの結果が出た2日後にかかりつけの産院で妊婦検診がありました。
この頃、つわりがだいぶ楽になり、体が軽くなったような気がしていました。
毎回恒例の血圧を測ると、前回まで140台もあったのに120台に下がっていました。
私は妊娠中血圧が上がってしまうタイプで、前回妊娠したときも要注意と指摘されましたが、今回の妊娠でも毎回140台でした。
これも高齢のせいか…と気にしてはいましたが、今回急に下がっており、なんか妙な違和感がありました。
診察室に呼ばれ、経腹エコーで見てもらいながらNIPTの結果について話しました。
「そうですか、18でしたか。18はね、大きくならないんだよね」
と先生が言ったのを聞きながらその静けさに私は察しました。
あ、心拍の音聞こえないな…
「見てごらん」
先生に言われて画面を見たら、そこには動かない赤ちゃんの画像がありました。
「やっぱり止まってますか」
また妙な冷静さで先生に確認しました。
「うん、残念ながら。何か気づくようなことがあった?」
「さっき血圧を測ったときに下がっていたのと、ここ数日体が軽くなった気がしていました」
「そうだね、そういうことで気づくこともあるかも」
2年前の流産したときよりか、ずっと冷静に受け止めていました。恐らく、NIPTの結果や今までのいろんな所見が私を納得させていたせいもあったと思います。
その後は子宮内胎児死亡という診断と、処置のスケジュールを確認しました。
大きさ的にギリギリ手術できないことはないけど、安全を考えて分娩した方がいいと思うと言われました。
怖いけど仕方ない、先生を信用しようと思い、分娩することを決めました。
「羊水検査はそのまますることもできるけどどうする?キャンセルでも大丈夫」
もう死んじゃってるのに検査してもなぁ…でも性別だけ知りたい気もする…と少し考えたものの、早く出してあげた方が良さそうだと思い、羊水検査はキャンセルすることにしました。
こうして、確定診断が出る前に亡くなってしまい、妊娠継続するか否かということを決めることはなくなりました。
私の精神的負担が軽くなったことが、有り難くも切ない気持ちになりました。
赤ちゃんが生きていたとしても、羊水検査で陽性の確定診断が出たら妊娠中断の選択をしたと思います。
でも、今となっては妊婦さんが中絶を選択したときの辛さや苦しさというのは私にはもうわかりません。
この数日後に分娩をしたのですが、既に亡くなった赤ちゃんを出すことと中絶をすることは気持ちが全く違うのだろうとそのとき感じたからです。